システム奮闘記:その97

経営戦略入門



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(2012年4月30日に掲載)
はじめに

 IT担当者としてオープンソースの推進をやってきた私。
 だけど、情報システムの役割が大きくなっているのも

一般的に言われている情報システム部門の役割
以前 IT化導入による業務の効率化と簡素化
現在 業務の効率化だけでなく経営課題の解決のための
企画・立案を行なう

 とは言うものの・・・

 ヒラリーマンに経営がわかるわけねーよ!!

 ただでさえ、色々な技術の事を覚えないといけないのに
経営なんぞに頭がまわるわけがない。
 それに・・・

 経営課題は役員の仕事だ。おいらには関係ない

 と完全に開き直っていたのだ (^^)


 とはいえ、経営情報のサイトなどでは、IT部門は業務効率化だけでなく
経営課題の解決部門とか、経営企画部門だという言葉が並ぶ。

 20代だと開き直ったままでも良いが、30代半ばになって
多少なりとも経営の話などができないと、程度が低いと思われてしまうし
問題解決のできないIT担当者になってしまう。

 2009年の初夏のある日、NECネクサソリューションのセミナーで
以下の物を発見した。

 IT経営塾短期集中コース

 2回に分けて行なわれるセミナーだった。

 この時、思った。

 経営企画ができるIT担当者への近道なのらー!

 という事で、セミナー受講許可申請を書く。

許可申請の中身
9月3日、9月25日 時間は共に13:30からで、
場所は京橋のNECネクサソリューションです。	
セミナーの題名は「IT経営塾・短期セミナー」で
2回に分けて行われる物です。	

今までは、IT関係といえば技術的な事の追っかけばかりでしたが
ITを情報資産を司る手段と考えた場合、技術だけでなく
より高い位置から眺めたIT戦略の青写真を描いたり
それを実現させるための企画書の作成。	
全体的な視点からの社内の問題点や潜在的な危機の抽出と回避といった
危機管理能力も求められます。	

社内にいますと、経営情報の分野の専門家がいないため、
独学となり効率が悪いだけでなく、独りよがりになります。
そのため、今後を見据えて、体系的に経営情報の知識を
身につける足がかりとして、今回のセミナー受講の許可申請を
提出いたしました。

 そして許可が出たので、早速申し込んだ。
 許可が出なくても、有給とってでも行くのだが (^^)

受講したIT経営塾短期集中コース
1回目 経営戦略入門。今回の話です。
2回目 IT予算管理です。
「システム奮闘記:その84」をご覧ください。
 (IT予算管理入門)

IT経営塾 セミナー受講

 2009年9月3日。大阪京橋のセミナー会場へ行く。  講義と演習だった。まずは講師の先生の話が始まった。  話の内容は経営戦略入門の話で、サウスウエスト航空の事例を使った 説明が始まった。  ITと経営課題の解決。一体、どういう関連があるのか。  先生の話では、以下のような説明だった。  経営課題を抽出し、ITに落とし込める物をITで解決する  図式化すると、こういう事なのだ。
経営課題の抽出
経営課題の抽出の図
表面的に見える経営課題はあるが、大半は見えない。
本質的な問題をあぶり出すため、問題の抽出が必要だ。

 抽出した経営課題とITとを突き合わせる。

経営課題とITの適用
経営課題とITで問題解決の図
抽出した経営課題をIT技術を突き合わせてみて
ITで解決可能な部分を見つけだす。

 経営課題の解決にシステム部門が関わっていく必要があると
言われているが、そういう事だったのかと納得できた。

経営理念の設定

 経営課題の抽出方法なのだが、まず講義で説明があったのは 経営理念の設定だった。
経営理念の設定
内容
経営理念 どういう経営方針にするのかを書く

(例) 良質で低価格のサービスを提供する。
思い どんな会社にしたいのかの思いを書く

(例) 顧客から感謝されるサービスを提供しよう
経営目標 具体的な目標値を書く

(例) 小物販売で純利益を1000万円にする


 演習を行なう事になった。
 先生曰く

 所属部門の改善などにも適用できます

 だったので、私の所属する総務部で当てはめてみる事にした。
 しかし・・・

 思うように書き出せない・・・ (--;;

 だった。
 でも、なんとか以下のような内容を書き出した。

総務部の理念
内容
総務の理念 営業員が販売促進業務に重点が置けるように
雑務から開放し、かつ、従業員満足度向上になるよう
縁の下の力持ちになる。
思い 金だけでなく、知恵を使って問題解決していこう
他の人から感謝されるように、社内の改善を行なっていこう
経営目標 経費削減。○○円

 こんな事、考えた事がなかったので、すぐには思いつかない。


事業領域

 次に事業領域(事業ドメイン)の特定の話になった。  さて、講義になった。  マーケティング視点での対象客の絞りこみと、業界特性による 自社の経営の方法を見出す。  マーケティングの視点。  講義ではアメリカの航空会社の比較があった。  顧客といってもビジネス客を対象にするのか、観光客にするのか。  路線は国内線なのか国際線なのか。自分達がどの層の顧客を 対象にするのかを絞り込むのだ。  この原稿を書いている時に思いついたのが 対象顧客の絞り込みの身近な例で、コーヒー店を考えてみる。
同じコーヒー店でも対象顧客が変わる
ドトール 低価格路線で、ちょっとした時間潰しや
一服したい人向け。
スターバックス 少し贅沢感を味わいたい人が対象
ソファーなど内装も高級感を出している。

 どの層の顧客を狙うのか。それを絞り込むのだ。
 なんでも取り込む事は不可能だからだ。


 そして業界特性分析の話になった。

業界特性分析
業務の卓越性 業務の効率を上げて、一定の品質の製品や
サービスを低価格で提供する事により
顧客に価値を提供する企業
顧客との密接性 顧客の持つ課題を察知し、的確なソリューションを
提供する事により、顧客に価値を提供する企業
製品の優位性 革新的な製品やサービスを継続的に提供する事により
顧客に価値を提供する企業

 すごく、わかりやすい分類だ。


 さて、これをコーヒー店に当てはめてみる。

同じコーヒー店でも業界特性は異なる
ドトール 業務の卓越性

低価格路線だが、美味しいコーヒーを提供。
だが、本当に業務の効率化をやっているかといえば
社員に対して、無茶な勤務体系を敷いて働かす
ブラック企業なのだが・・・。(元ドトールの社員の話)
スターバックス 顧客との密接性

少し贅沢感を味わいたいという要求を満たすため
的確なサービスを提供していると考えられる

 さて、講義では、顧客の絞り込み、業界特性を行なった上で
以下の図に書き出す話になった。

領域設定の図
領域設定の図
業界特性を真ん中に置いて、3つの事を書き出す。

絞り込みで割り出した対象顧客
顧客の要求・受容を書き出す
そして、それを実現させる方法を書き出す。

 演習になった。
 私の所属する総務部に当てはまてみる。
 ここでも何を書いて良いのか悩む。普段、やらない事をするのは

 非常に労力がかかるのらー (--;;

 でも、なんとか書いた。

私のいる総務部に当てはまてみる
私の勤務先の総務部の領域設定

SWOT分析

 そして、SWOT分析の話になった。  強み、弱み、機会、脅威の4つに分類するのだ。
SWOT分析
強み(S:Strong)

自社のウリ。優位性。
(意外とわかっていなかったりする)
機会(O:Opportunity)

自社にとってのビジネスチャンス
弱み(W:Weakness)

弱点。悩み。
脅威(T:Threat)

自社の強みを打ち消す物
存在を脅かす物
 

 自分の事(強み・弱み)をしっかり認識する。
 そして周囲の環境(機会・脅威)を把握する。

 SWOT分析は、以前から知っていた。
 でも、具体的に、どういう時に使うのかは知らなかった。


 自社の強み、弱みについて講師の先生から

 同じ事でも「強み」と見る人もいれば

 「弱み」と見る人もいます

 だった。


 先生の話では、企業でコンサルする際に、経営陣が議論するのだが
部門や立場、視点が異なると、同じ事であっても
「強み」と見る人も入れば、「弱み」と見る人がいるというのだ。

 つまり、こういう事なのだ。

多品目の商品を扱う場合を考える
立場が違えば強みと見る人もいれば、弱みと見る人もいる
多品目の商品を扱う会社を考えてみる。

管理部門から見れば、多くの在庫を抱えるため、倉庫の問題や
売れずに残った商品(不動在庫)の問題があるため
これを弱み(問題点)として見る場合がある。

その一方で営業部門から見れば、多品目の商品がある事で
少しでも物が売れるだろうし、品揃えがしっかりした会社と
見てもらえるので、商機を逃さないという観点で見るため
これを強みとして見る場合がある。

 そのため、複数人で議論する事によって、参加者全員が
お互いの考え方、視点を共有する事ができる上、
違った視点を知る事ができるのだ。


 SWOT分析に入れる内容なのだが、サウスウエスト航空の事例を使った
紹介があった。


 そして演習になった。
 ここでも何を書いて良いのか悩む。
 そして、なんとか書いた内容が以下の通りだった。

 いかにも中小企業らしい内容になった。

SWOT分析
(勤務先の総務部に当てはめる)
強み 機会
1人が幅広い分野を担当
決裁者が少ないため迅速な決裁が可能
社員の大半と顔見知り。
中小企業向けの政策
(減税・補助金)
弱み 脅威
専門知識を持った人が不在
病欠で人が抜けたら業務が回らない
それぞれの担当がバラバラなので
意志疎通が難しい
国・役所の規定
業界での新規の枠組
 

クロス分析

 クロス分析の話になった。  SWOT分析で書き出した物に基づいて改善点や 長所を伸ばす事を見出す手法なのだ。  以下のように、個々に挙げた項目を付き合わせて 何を改善すべきなのか、何を伸ばしたら良いのかを見出すのだ。
クロス分析
機会 脅威
強み 強みを生かす 強みを生かして
脅威を機会にできないか
弱み 事業機会の逃さないため
改善点を見出す
 

 これだと整理・分類されているので、わかりやすくなっている上
付き合わせて考えやすい。
 まさに・・・

 解決への方向性を抽出をしやすくする手法

 なのだ。

 演習になった。
 私の勤務先の総務部で考える事にした。
 とはいえ、なかなか思いつかない・・・ (--;;

クロス分析
(勤務先の総務部に当てはめてみた)
クロス分析の結果

 すごく労力がいる。

戦略MAP

 戦略MAPの書き方になった。  これは  各部門の目標設定の抽出法  だった。
戦略MAP
視点 戦略目標
財務の視点
顧客の視点 顧客の要望・要求に対して、どう行動すべきか

事業領域で書いた顧客の要求に基づいて検討
業務プロセス
の視点
どのような業務プロセスを強化すべきか

事業領域で書いた手法・方法に基づいて検討
学習と成長
の視点
どのように改善できる能力を維持するか

事業領域で書いた手法・方法に基づいて検討
 

 業務全体の強化点や改善点を見て、目標設定を行なうというのだ。
 全体が俯瞰できるので、全体最適化を見出しやすいというわけなのだ。


 さて、演習になった。
 これも書き出すとなれば、相当、難しい。

 私の場合は勤務先の総務部に当てはめる。
 顧客は、営業マンにして、営業マンの生産性を上げる事を考える。

戦略MAP
(勤務先の総務部に当てはめてみた)
戦略MAPの結果

評価表の作成

 最後に評価表の作成になった。  目標と結果を書き出す表だ。  折角、良い戦略を練ったとしても、実行して検証を行なわなければ 有効かどうかもわからない。  だが、この時点になると、頭を使い過ぎていたためか  ほとんど放心状態・・・ (--;;  だった。  そのため評価表の作成を考える気力もなかった。 講義終了  講義と演習が終了した。  普段、使わない頭を使ったため・・・  メチャクチャ疲れた・・・  だった。  でも、収穫は大きかった。  このセミナーを受講する前は、SWOT分析、クロス分析がある事は 知っていたのだが、具体的に、どういう事で使ったりするかは いまいち、わかっていなかった。  今回のセミナーで経営戦略の組み立て方の一連の流れがわかると 非常にすっきりした。  これを図式化すると、以下のようになる。  わかりやすくするために、比較のため、登山の計画を対比させてみた。
経営戦略の組み立て方の流れ
(わかりやすくするため登山計画を対比させた)
経営戦略の組み立て方の流れと、対比のため、登山計画を並べた図

 講師の先生から

 全体の流れがわかってすっきりしたでしょ

 めげずに頑張ってください

 と励まされた。
 もちろん、この程度で、めげる私ではないので、2回目の
IT予算の講義も聞きに行った。

経営戦略の基本は見える化・共有化

 経営戦略入門の講義を聞いたものの、使う機会が全くない。  そんなある日、ふと次の事が頭に過った。  経済・経営は西洋の学問  その瞬間、セミナーで習った手法が生まれる理由がわかった。  見える化・言語化・共有化が目的  なのだ。  どういう事なのか、日本と西洋との比較を図式化した。  まず日本の場合を考える。
見える化・共有化を軽視する日本の構図
見える化・共有化を軽視する日本の構図
日本の場合、比較的、価値観が近いという前提の文化のため
「言わなくてもわかるだろう」や「以心伝心」が蔓延している。

しかし、実際には価値観や物事の考え方は多様なのだ。
同質性の幻想から「言わなくてもわかるだろう」で物事を進め
行き違いが起こったり、気づいた時には取り返しがつかない事態に
発展している場合も多々ある。

 だが欧米ではお互いの価値観や考え方は異なるが前提だ。
 欧米に限らず、世界的に「お互いの考えは異なる」が前提なのだ。

日本以外では、お互いの考えや価値観は異なるという前提
日本以外での物事の考え方の構図
日本以外では、お互いの考えや価値観は異なる事が前提だ。
そのため、自分の立場・意見を相手に表明したり
相手の考えや根拠を求めたりする。

根拠を求めるのは、価値観や考え方が違うため
なぜ、そういう考えなのかが理解できないためだ。

 各人が考えているのはバラバラなのが前提。
 そこで運命共同体として会社を運営するにあたり

 見える化・共有化が大事!

 になってくる。

見える化・共有化・言語化の効果
物事の考え方などの、見える化・共有化・言語化の効果
お互いが意見を出し合って議論する事によって
共通の価値観や考え方を生む効果をもたらす。

これにより価値観の考え方の違いを乗り越えて
運命共同体として同じ方向に進む事ができるのだ。

 ところで、よく日本の経営陣の中で

 理論と実践とは違う

 という声がある。
 だが、SWOT分析やクロス分析といった経営戦略の手法を

 実践には役立たない!

 と言い出したら、

 とんでもない間違いになる!

 上手に問題点を抽出して、見える化と共有化を行なって
より良い方向を見出すための手法なのだ。

 経営理論でも何でもない、便利な手法に過ぎないのだ。
 その便利な手法を使いこなせるかどうかが、鍵になるのだ。

経営戦略の手法を実践

 2010年の夏、役員に呼び出された。  そこで言われたのは・・・  ○○に関する販売企画のリーダーやってくれ  だった。  なぜ私に白羽の刃が向けられたのかは、わからない。  困った。この分野は、ど素人の私。  右も左もわからない。だからといって、資料も何も配布しないで いきなり会議を招集して  今から、みなさんで考えましょう!  では、非効率で、無駄な会議を生む原因になる。  そこで、会議の前に、わかる範囲で基礎データの収集と 概略、方向性を示した、叩き台を作成して、 事前に、参加者に読んでもらわないと、効率の良い会議はできない。
リーダーの役目
リーダー(leader)とは、導く人の意味だ。3つの仕事がある。
1つ目は参加者が議論しやすい環境を整える事。
2つ目は方向性の提示。
3つ目は決定だ。

ある企画のリーダーの場合は、参加者が議論しやすいように
議題の準備と、いくつかの方向性を提示しておく必要がある。
そして議論の末に、結論が出ない場合は、リーダーは自分の責任で
採択するかどうかを決定する役目がある。

「仲良く話し合いましょう」と言って、決定しないリーダーだと
物事が進まない。それに職務放棄になる。

意見が割れている時でも決定せざる得ない時もある。
この時は、じっくり話を聞いて議論した上で、最後には
「リーダーの俺が責任を取るから、これに従って欲しい」
と言う必要がある。

相手を頭から否定してはいけない。相手の話をじっくり聞く。
これだけでも「意見を聞いてくれる人」で納得してくれる。

双方の顔色伺って、決定しない方が、どっちつかずなために
双方から駄目なリーダーとして烙印を押されてしまうのだ。

 基礎となるデータ収集や資料の作成を行なっていく必要があるが
何が必要なのか。簡単に思いつかない。
 そこで役に立つのが

 マインドマップ

 なのだ。

 マインドマップを使えば、1つの語句から連想しながら
思いつくものを書き出すため、頭の中で思い描いている事を
引き出しやすくなるため、言語化、図式化しやすくなる。


 そして損益分岐点を求める事にした。
 いくら売上が好調になっても、利益がないと意味がない。
 それに・・・

 損益分岐点を目標に適用できる!


 どの顧客を想定すれば良いのか。どれくらいの市場があるのか。
 全く掴めない。領域設定ができない・・・。

 色々な分析資料の作成をしていくのだが・・・

 これでいこう!

 と自信を持っていける物が見つからない。

 当たりがつかない。仮説が立てられない。
 不安と迷いばかり先行して、自信が持てない。

 不安解消のために分析魔になっていた (--;;

 しかし、分析しても、納得得られる物が見つからない。
 困り果ててしまった私。見るに見かねた役員から・・・

 分析ばかりしていたら、前に進まんやろ

 と言われた。

 確かに、分析ばかりしていたのでは前に進まない。
 そこで、不安や迷いを抱えたまま、この企画の参加者の招集になった。

会議招集。経営戦略を披露

 会議の招集になった。事前に会議資料は配っている。  参加者のX部長からは・・・  ここまでやるかよ・・・  だった。  やるからには徹底的にやる。  これでも駄目だったとしても後悔はないからだ。  会議の後、お目付役のY部長から  SWOT分析はやらんでも、みんなわかっとる  だった。  私は言い返す。  言わなくてもわかるだろうは、日本人の悪習  行き違いの元なので、見える化は必要です  Y部長はニヤニヤしていた。  多分、私を泳がせて様子を見るのだろう。  会議でダラダラ話すのは、もったいない。
ダラダラした会議を防ぐ方法
(1) 会議の場は、進捗状況の確認と共有。
それと議題の議論に絞る。
(2) 会議の前に議題と資料を用意する
(3) あからじめ2,3の方向性を示しておく
(4) 役職関係なしに議論できるようにする。
声の大きい人がいたら、上手に抑えるのはリーダーの役目
(5) 決定事項は決定する。
(6) 会議の議事録を取り、次の会議の資料にする。
議事録をマインドマップを使って記述すれば、意外と読みやすい

 だが、この案件は難航する。
 数ヶ月たっても、なかなか成果は出ない。

現役なので詳細は書けません
なぜ案件が難航したのか、その詳細を書けば良いのだが
現役の社員なので、立場上、守秘義務がある上、コンサルのように
「某社事例」と曖昧にできないため、詳細は勘弁してください。

 半年以上経っても、ニッチモサッチもいかない状態に陥っていた。
 そんな中、参加者のX部長が

 とにかく行動だ。そのために会議を開く!

 と言い出した。
 他の参加者は、重苦しい雰囲気になった。
 「会議に出たくないが、部長の言う事には逆らえない」という雰囲気だった。


 リーダーの役目として「声の大きい人に流されない」事だ。
 保身に走らずに、X部長に質問する事にした。

 議題は何ですか?

 問題点を具体的に提示してください

 議題がないのに、会議を開く理由を提示してください

 その結果、X部長が会議招集を引っ込めた。
 重苦しい雰囲気を解消できたが、根本的な問題解決にはなっていない。

 打開策が見つからない。そのため沈没寸前の船になっていたのだ。


役員に呼び出される


 今回の企画で私をリーダー役に任命した役員に呼び出された。
 そして開口一番

 やっている事が頭デッカチだ!

 反論する私。

 やっている事は理論でも何でもありません

 リスク軽減のためにやっています

 お互いガンガンやりあった。

 少ない人的資源や資金を効率的に投下するには、当てずっぽや
思いつきで物事を進めては無駄になる。
 それを防止するには、目標設定と、方向性の設定をして共有化をはかり
全員がそれに沿った形で、考えを出し合って前に進めていくのが効率的だ。

 さすがに言わなかったが、そんなに成功させたかったら
「素人の私をリーダーにするのではなく、専門家を雇え!」と思った。


別の役員に呼び出される

 
 数日後、別の役員に呼び出される。
 そこで、驚きの発言を聞く。

 理屈並べるよりも、安くすれば売れる

 反論しても、その役員は、聞く耳もたずだった。
 経営戦略は理論でも何でもない。

 目標を決めて、そこにたどり着くまでの間に、どの道を進むのか
どのように進んで行くのかを決めるために、補助道具に過ぎない。

 だが、その補助道具を使わずに、当てずっぽで前に進むと非効率だし
目標も何も決めずに行動すれば、行き当たりばったりになる。

 それに戦略なき値引きは利益の流出になるだけだ。

薄利多売しても利益は上がらない
1000円の物を10%値引きした分の利益を回収するには
どれくらいの売上を増やす必要があるかと問いかけると
「10%売上を伸ばせば良い」と思っている人が意外といる。

だが、仕入値が800円の場合、10%値引きたら、粗利が半減するため
売上を倍増しないと、値下げ分の消失した粗利の回収ができなくなる。
簡単な算数・数学の問題なのだが、意外とそれができないのだ。

市場占有を目的に、無理な値引きをして競合を追い払うなら
理解できるが、そうでないのに、安易な値引きは利益流出になる。

値引きして利益が増えるのは、価格弾力性があり、なおかつ
固定費中心の商品なのだ。
これ以外の商品で行なうと、ただの市場荒らしになるだけだ。
どこかが無理な値下げをすると、他社は売るために無理な値下げをする。
結果的に、利益が激減して、みんなが不幸になるだけだ。

管理会計については「システム奮闘記:その33」をご覧ください。
(経理入門 目指せ会計に強いIT担当者)


以前、マスコミが談合が悪いという事を取り上げた
確かに、競争のない世界だと無駄も増えるのは事実だが
日本人の物事を科学的・論理的に物事を考えずに、
無理な値引きをしたりして、首の絞め合いに陥りやすいため
先人の知恵で談合が生まれたのではないかと思ったりする。

Y部長が事態収拾に動く

 沈没寸前の船。
 見るに見かねた、お目付役のY部長が

 方向性を話し合うため会議をやろう

 と提案した。

 そしてY部長から以下の提案が出た。

Y部長からの提案
市場が読めないだけに、最初から決まった形の方向性を定めるのは困難。
そのため、試行錯誤をしながら、方向性を決めていくしかない。

 Y部長の提案に反対はなかった。私も「それしかない」と思った。

 そして、方向性を試行錯誤しながら、見つけていく事になった。

 登山に例えると、登る山を決めても、地図がない、道がない場合は
自分達で切り開くしかない。この場合の経営戦略を考える場合は
どうすれば良いのか。今後の課題になった。


 この時は気づかなかったが、後になって、Y部長の発言は
実は経営戦略を立てる上で重要な意味を持つ。
 それは後述しています。

経営戦略には直感力が必要

 論理的に色々詰めて考えても、うまくいかない。  情報を集めても、分析しても、仮説を立てるのに時間がかかるし 方向性すら見つけられない。  2012年2月、以下の本を読んでいた。  「仮説思考」(内田和成:東洋経済新報社)  本の中で仮説思考が問題解決を迅速にすると書いている。  沢山の情報を得て分析する手法では、前に進まないが 少ない情報から仮説を立てて、全体像を考え出す事で、 すぐに検証を行なえる上、仮説が間違えている事がわかっても、 そんなに時間の無駄にはならない上、次の仮説の芽が出ているため 意外と効率的に問題解決が行なえるというのだ。  図にして説明すると、以下の事なのだ。
できるだけ情報収集を行なった場合
情報量が多いと分析が困難
情報を集めれば集める程、精度が上がり、良さそうに思えるが
実際には情報収集と分析に時間がかかるだけでなく
新しい情報が入る度に迷いも生じて、逆に問題の
全体像が見えなくなったりもする。

 そのため情報収集ばかりを止めて、一部分だけ情報を取り出し
そこから仮説を立てるのが良いというのだ。

断片的な情報だけを取得
断片的な情報だけ取得
少ない情報(断片的な情報)だけを使って、仮説を立てるのだ。
そのため、分析は少ないため、時間短縮ができる。

 そして仮説を立てる。

断片的な情報から仮説を立てる
断片的な情報から仮説を立てる
断片的な情報を分析して、仮説を立てるのだ。
この場合だと、仮説を元にした問題の全体像が見えてくるし
すぐに検証が行なえるのだ。

 もちろん、1回の仮説で当たる事は稀だと思われるのだが
すぐに検証が行なえるため、間違いだとわかったら
別の情報を使って仮説を立てて、検証が行なえる。

 これを繰り返すと、比較的、早く問題の全体像が見えるというのだ。

仮説・検証を繰り返す
仮説・検証を繰り返す効果
仮説・検証を繰り返す事で、共通部分も見えてくる。
そこが真の問題の全体像と見て良いのだ。

 本の中での著者の主張はよくわかる。


 だが、本を読んでいた私は次のように思った。

 仮説の重要性を説かれても

 仮説が立てられなければ意味がない!

 仮説すら立てられないから、情報収集と分析をせざるえないのだ。
 そんなに簡単に仮説を創出できるものではないと思った。


 だが、ふと頭にある事が過った。

 仮説力は直感力ではないか!

 仮説とは、論理的に分析して当たりをつける物だと思っていた。
 確かに、その側面もある。だが、ここで重要な事に気づいた。

 少ない情報から、直感的に「こうではないか」と当たりをつける事で
素早く仮説を立てて、検証を行ない、問題解決の速度を上げる。


 だが、私の場合は・・・

 直感力がないどころか、直感が働かない

 のだ。

 以前から自分の直感は働かないため、当たりが付けられない。

直感が働かない問題点
直感が働かない問題点
当てにならない直感力なら救いがあるが、全く直感が働かないと
少ない情報を見ても、誤った仮説すら立てる事ができない。

 そのため、仮説を立てるためだけに、情報収集や分析に
時間を費してしまう問題が発生する。

直感が働かない問題点
直感が働かないため、膨大な時間と労力を費す現実
仮説を立てるためだけに、情報収集と分析に
膨大な時間と労力を費してしまう。


 そして、直感が働いても、大半は当たらないため、
直感に頼らない意思決定ができるように論理的思考を研いてきたのだが
その前提が、大きく覆されてしまった。

 そしてドミノ倒しの如く

 自分が抱える問題点が見えてきた!

 過去、色々な事で、当たりがつけられず、情報の海に溺れたり
迷える仔羊の如く彷徨いながら七転八倒したりしていた。
 根本には直感力のなさが原因だった。


 これは学習して物事を理解する、理解の速度にも影響する。
 もし、直感力がある場合を図式化すると以下のようになる。

物事の学習や理解が速い人
物事の学習や理解が速い理由
少ない勉強量で物事を把握できる人がいる。
それは少ない情報量から「これはこうだろう」と仮説を立て
素早く検証を行なって、仮説・検証を数回行なって
素早く物事を理解できる。

 だが、私のように理解力が遅い人がいる。
 それを図式化すると以下のようになる。

物事の学習や理解が遅い人
物事の学習や理解が遅い理由
少ない情報量だと「これはこうだろう」の仮説が
立てられないため、それが得られるまで
色々な本を資料を読んだりして、時間と労力を費してしまう。
そこから検証をして、仮説が間違えていたら、新たに勉強し
時間をかけて、なんとか仮説を立てて検証するのが続く。
ようやく理解した時は「なんだ、こういう事だったのか」で
精神的に疲れてしまうのだ。


 自失呆然しそうな所だが、さすがに30後半になると
「そうだったのか」で受け止められる。あまり衝撃はなかった。


 そして経営戦略に必要なのは直感と論理の両輪というのに気づいた。
 こういう事なのだ。

 仮説創出には直感

 仮説検証には論理

 直感と論理の2つを持っている人は「できる人」になるのだ。

4つの分類にわけると
直感力あり 直感力なし
論理力あり 仕事ができる人 分析が得意
参謀向き
だが評論家に陥る危険がある。
論理力なし アイデアマン
優秀な分析者を参謀にすれば
経営者向き。

だが思いついた事を
そのまま実行する危険がある。
単純労働に向いている
単純作業を嫌がらずに
黙々と働く人は必要だからだ。

 

 優れた経営者には直感と論理を兼ね備えた人が多いと思う。

カリスマ性のある経営者の手法
カリスマ性のある経営者は、おそらくこんな人物だと思う。
直感も論理も兼ね備えているため、ふと思いついた事を分析し
これならいけそうな事を提案する。
でも、周囲の理解が得られないと思った場合は

枕元で観音さんが、ささやいたのだー!

といった類の発言をして、周囲に「またかよ。でも、しゃーない」と
思わせて、成功に導くという手法だ。

そのため神がかっているとか、カリスマ性を帯びているように見えるが
実際には、直感と論理の両方を働かせて、カドを立てずに上手に
物事を進めていると思われる。

 直感力の重要性。そして素早く仮説を立てて検証を繰り返す事で
素早く真の原因を探しだす方法。


 そんな事を思いながら、この原稿を書いていると、ふとY部長の
発言を思い出した。

Y部長の発言
市場が読めないだけに、最初から決まった形の方向性を定めるのは困難。
そのため、試行錯誤をしながら、方向性を決めていくしかない。

 なるほどと思った。
 Y部長の発言を図式化すると以下のようになる。

Y部長の発言の意味を図式化
方向性が見えない場合は、いくつかの試行錯誤と検証を行ないながら、素早く方向性を導き出す
何も見えない状態では方向性すら定まらない。
そのため、仮説を立てて試行錯誤を行ない検証して
見通しを良くしてから、方向性を決めるというのだ。

この方法は直感力がある人には有効だ。
的確に、試行錯誤する内容を思いつくからだ。
直感力がない私には、何もしないよりもマシなのだが
迷える仔羊になってしまう場合が多いだけに
試行錯誤の繰り返しに時間と労力がかかってしまう

 直感力をどう研くのか。
 これからの私の課題になった。

直感を重視する日本人

 日本人が経営戦略の手法などを軽視する傾向が強い。  その理由は何だろうか。ふと思った。  日本の文化が直感重視  ではないだろうか。  欧米やインドのように多民族が共存する国では お互いの価値観や考え方が異なるため  感覚で物を話しても通じない!  なのだ。  そのため相手に対して物事を伝えるために、根拠を示して 論理的に話を進める必要が出てくる。  だが、比較的、価値観の近い日本人同士の場合 曖昧な表現でも、なんとなく推測ができてしまうし、通じてしまう。  そのため、論理的に物事を考えたり、論理的に話す練習する機会がなく 自然と感覚的な物の見方や考え方に偏ってしまうのではないか。  @IT自分戦略研究所の記事に日本語の問題を指摘した内容があった。 国語力とプログラミングの関係  この中で「たった1つの短い文を正しく書けるか?」と問いかけや 日本語は抜けが多い言語と書いている。  これを読んだ時は、いまいち、ピンとこなかった。  だが、ハイコンテキストとローコンテキストの話を読んで  そうか!  と思った。  株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループの記事  ローコンテキストとハイコンテキストの違い  コンテキストの意味なのだが、以下の意味なのだ。
コンテキスト(context)とは
英語の「context」とは「文脈」や「前後関係」という意味だ。

アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールが提唱した
対話における分類としてローコンテキストとハイコンテキストがある。

ローコンテキスト(low context)は、言語による対話を重視するため
論理的思考力、表現力、説明能力が必要になる

ハイコンテキスト(Hight context)は、伝える技術がなくても
お互いが察し合う事で、あまり語らなくても対話する方法だ。

 日本語はハイコンテキストの文化で、それが世界で一番発達したのだ。
 何気ない身近なやりとりなどで見られる。

 うちの会社のチラシにこんな文章があった。

チラシの文章
お困りの事がありましたら、○○会社にお任せください

 日本人にとって違和感のない文章だが・・・

 英語には訳せない!

 主語、目的語がないからだ。文章として不明瞭だからだ。
 日本語がわかる英米人が見ても、不明瞭で理解できない文章だ。
 そこで以下のように書き換える必要がある。

英語に訳せる、日本語にすると
あなたが、何かお困りの事がありましたら、あなたは弊社まで
その旨を連絡下さい。弊社担当営業が、あなたの元に駆けつけて
あなたが抱えている問題の解消、ご要望に対する提案を行ないますので
それらの事を、○○会社にお任せください

 非常に冗長な文章なのだが、主語・目的語を明確に書かないと
英語の文章は作れないのだ。


 もう1つ例を出す。
 うちの会社、仕出弁当をとっているため、弁当の配達がある。
 午後、弁当屋が容器の回収に来た時の会話だ。

弁当屋の、おっちゃんと私とのやりとり
おっちゃん ○○給食です。お願いします。
はい!

 これで通じてしまうのが日本人なのだ。
 だが、日本語のわかる英米人には不明瞭で理解できない上
英語に訳せない会話になっている。

 もし、英語に訳せる文章にするなら、以下のような、やりとりに
しなければならないのだ。

英語に訳せる会話のやりとり
(弁当屋の、おっちゃんと私とのやりとり)
おっちゃん 私は○○給食の者です。
私は、お届けした弁当の容器を回収に来ました。
すみませんが、あなたは容器を持ってきていただけませんでしょうか。
了解しました

 冗長だが、ここまで書かないと、英語に訳せないのだ。


 こんな感じなので、ハイコンテキスト文化の人と
ローコンテキスト文化の人の間での対話を行なう上で注意が必要だ。

 もし、ハイコンテクスト文化の日本人と、ローコンテキスト文化の
アメリカ人が、日本語で会話した時に発生しやすい問題がある。
 以下の図に表してみた。

日本人とアメリカ人が日本語で会話した時に発生しやすい問題
ハイコンテキスト文化の日本人と、ローコンテキスト文化のアメリカ人が日本語で会話した時に発生しやすい問題
ハイコンテキスト文化の日本人は「言わなくてもわかるだろう」で話すため
アメリカ人には「日本人の言っている事が不明瞭だ」と思ったりする。

反対に、ローコンテキスト文化のアメリカ人は、主語・目的語を省略せずに
きちんと文章を作るため、日本人にとっては「既にわかっている事まで
説明せんでもええやろ」と思ったりする。

こんなデータがある。
日本語を話せるアメリカ人と、日本人との会話量だが
2倍くらい違うというデータがあるのだ。
それだけアメリカ(ローコンテキスト文化)では言語による
意志疎通、対話が重視される。

 ハイコンテキスト文化が最も発展した日本。
 そのため「言わなくてもわかるだろう」が蔓延してしまい
日本人は、教育の場で、伝える技術を習得する機会がない。

 だが、ローコンテキスト文化の人達は、言葉で伝える技術が必須なので
子供の頃から訓練される。

 そのため・・・

 日本人の交渉下手の原因

 にもなっている。


 携帯電話のガラパゴス化が進んでいると言われる。
 だが、携帯電話だけでなく、日本語という言語のガラパゴス化も
進んでいると思ってしまう。

日本語は、言語のガラパゴス化の典型例
ハイコンテキスト文化の中で、極度なまでに言語を放棄した日本語。
だが、世界標準から見て、大きく外れているため、ガラパゴス化といっても
過言ではない。

外国人からは「ハッキリ物を言わない日本人」と言われるだけでなく
日本人自身も「察しろ」という推測の強要されている。
そして、時には誤解を招く原因にもなっている。

価値観の多様化していない昔なら、推測が容易だったため
それで良かったのだが、価値観の多様化に伴い、推測困難になる上
「自分も相手も、言わなくてもわかるだろう」という幻想があり
社会の混乱を招く原因になっているという指摘がある。
「世間さまが許さない!」(岡本薫:ちくま新書)

この話は「システム奮闘記:その94」(著作権入門)にも
触れています。

 こういう観点で見ていくと、楽天やユニクロの社内の英語公用語化の目的は
英語の上達に本質があるのではなく、ローコンテキスト文化の言語を使う事で
社内文書や会話で、単語の抜けを防止し、文章の中に余計な修飾語を
削ぎ落として使う事で、的確で、わかりやすい対話の実現をする事で
意志疎通を円滑にしている狙いがあると思う。


 ハイコンテキスト文化とローコンテキスト文化の違い。
 ここで疑問が生まれた。

日本とドイツの比較
日本とドイツは国民性が似ていると言われる。
時間に正確だし、勤勉性も似ていると言われる。

だが、日本はハイコンテキスト文化で、ドイツは
ローコンテキスト文化なのだ。

なぜ、両極端な文化を持っているのに、国民性が似るのか
この辺りが不思議に思ったりする。

その一方で、こういう話も聞く。
ドイツ人の家にお邪魔した時に、紅茶が出される。
その時、砂糖の量、牛乳の量を細かく聞いてくる。
日本ではお任せな上、料理屋でも「お任せ」が普通にあったりするが
相手の考えている事、相手の好みはわからないを前提のドイツでは
細かい事を聞くのが、日本との違いだなぁと思ったりもする。

 ハイコンテキスト文化が最も発達した日本。

 言わなくてもわかるだろ

 論理的思考力の訓練がされていない

 といった問題のため、経営戦略の手法が見える化と共有化のための
便利な道具にも関わらず・・・

 理論と実践は違う!

 といった誤解を招いているのではないかと思ったりする。


 ところで、興味深い話を聞いた。
 ある中小企業の元・経営者から聞いた話だった。

アメリカの中小企業経営者も論理的でない
日本と違ってアメリカは論理的だと思っていたら
そうでもないようだ。

ある中小企業の元・経営者は「アメリカの中小企業の団体と接したが
アメリカの中小企業の社長連中も、感覚や直感で物を話していて
論理性がないよ」だった。

本当に論理性がないのか、通訳が日本語に訳した際に
日本語の問題で論理性が欠如したのかは、わからないが
非常に興味深い話だと思った。

システム奮闘記が英語圏に進出した時、英語圏の社長達と接して
色々、話を聞いてみたいと思った。
その前に英語の勉強をせねば (^^;;


最後に  経営戦略入門。  ヒラリーマンの私には「そんなの関係ねぇよ」と思っていましたが 実際の所、物事を進めていく上で経営戦略の手法は色々な形で 応用できる事がわかりました。  日本人が持っている  言わなくてもわかるだろう  を排斥して、「お互いわからんから、見える化しよう」が大事になります。  そして日本人は経営手法を導入する利点を生かせるためです。  日本人の強みは・・・  目標と方向性が明確になれば、一丸となって進む  なので、経営戦略の手法を用いて、具体的な目標設定と方向性を示すと 業務改善にはつながると思ったりする今日この頃。  今回は、良い事例を紹介できませんでしたが、 良い事例ができたら、紹介したいと思います。

次章:「電気回路入門」を読む
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